lacorde 〜ラコルド〜 十五夜に発売(2010.9.22)

きょうは十五夜です。
十五夜の日も特別な意味があるようです。
ぼくの周りでも、きょうは特別な日です。
川村健一さん、比嘉雅人さん。
沖縄に来て出逢った友人。

ここ数年、ふたりで音楽活動をしています。
川村健一さんの唄三線と比嘉雅人さんのピアノ・アレンジでユニットをくんで
演奏活動をしています。もう、2年?3年かな、、、

ユニットの名前は、lacorde。「弦」という意味です。

ここ1年ほど、lacordeはCD制作をしておりました。
そして、めでたく完成して、本日、十五夜の日に発売となりました。

タイトルは「月ぬ美しゃ(つきぬかいしゃ)」。

これは八重山地方の民謡なのですが、ふたりがはじめてセッションした曲だったかなぁ、、、sabaさんのノートをご覧ください。

 ●月ぬ美しゃ
 
 青く白く、しっとりと輝く月の貌。月の光に心惑わされない人が
 果たしているだろうか。
 古より月光の波長は毎晩(時には昼間も)地上に降りそそぎ、
 人の心の糸を震わせ、私たちはただ佇み歌を詠む。
 Lacordeが初めて編曲・演奏したのがこの歌だ。その昔、波静かに
 打ち寄せる八重山の浜辺に立ちつくし月を見上げた人と、今を生きる
 私たちの心が、時空を超えて繋がった。ピアノは海の波、そして三線は
 月光の波。今夜もどこかで誰かが月の美しさを歌っている、
 しかし月は月のまま、海は海のまま、何も変わることはない。
  ただ私たちの心だけが移ろうのである。

ちょっとだけ試聴できます↓
https://utanoshima.com/lacorde/tune08_lacorde_02.aif

いいでしょ?
続きを聴きたい方は、沖縄のCDショップでお求めください。
また、県外の方は、通販か、わしたショップの店頭でお求めください。
わしたショップの店頭に無い場合は、取り寄せもできると思います。

通販
http://store.shopping.yahoo.co.jp/campus-r-store/tune-8.html

発売元のブログ
http://sun.ap.teacup.com/campusstaff/193.html

沖縄の情報サイトでも新譜情報として紹介されています。
http://ryuqspecial.ti-da.net/e2826157.html

あと、ふたりが書いてくれたノートから(全文は店頭のチラシを見てください。通販で買った場合は入れてくれるそうです)

砂山

新潟で生まれ育った。自宅から歩いて5分で日本海に到着する、そんな場所が故郷である。小学校、中学校からは日本海が見え、松林があった。幼い頃から日本海や松林は遊び場であり、物思いにふける場でもあった。
私が見て育った正にその場所で日本海を見た北原白秋がこの詩を書いたという。つまり、幼い頃から見て育った風景がこの曲では描かれている。これほど歌っていて情景が目の前に現れ、同時に感情もあふれる曲は他にない。
私を育てたあの場所で三線と共にいつかこの曲を歌いたいと思う。沖縄の海で目を閉じると佐渡島が向こうに見えるようだ。海の色は違えど、この海で故郷と繋がっていることを感じる。

平和の願い

沖縄に移住し、老人ホームで働いた。そこでは、沖縄での戦争を体験した方々が入所され、たくさんの体験談を聞く事ができた。そうした体験談は辛く、悲惨な話しも少なくなかった。しかし、それを語る方々は何とも笑顔が美しく、優しく、強い。
職場である老人ホームで三線をよく披露した。「ヘタクソ」という評価をもらった事はなかったが、「上手いね」以上の評価ももらった事はなかった。沖縄の民謡は独特の歌い回しがあるが、以前の私にはそれができず、なかなかその「壁」を越える事はできなかった。しかし、この曲を演奏した時、初めて「やーや、うちなーんちゅなとーんやー(お前は沖縄の人になってるねー)」という評価をもらった。その時、ひとつ「壁」を越えられたと思った。今でも大切にしている、うれしい出来事だ。

ましゅんく

沖縄に初めて来たのは20歳の夏だった。伊江島にも渡った。その時、宿泊した伊江島の民宿には三線があり、初めてそこで三線を弾いた。いつか三線を弾いてみたいと思っていた夢が叶った瞬間だった。
初めて三線と出会った場所、伊江島の民謡であるこの曲をよく演奏する。この曲はそういう三線との出会い、という思いがありよく演奏している。
そんな思いとは別にこの曲の歌詞も好きである。「ましゅんくさんとナビーさんと見比べたらナビーさんの方が綺麗だ」、「瓜が実ったら穫って愛しい人にあげよう」など、他愛も無い歌詞だが、誰もが経験する感情だと思う。
しかし、ナビーさんの方が綺麗だったのになぜこの曲のタイトルは「ましゅんく」なのだろう?

★ぼくは、一見あわないような三線とピアノで演奏するのをけしかけたひとりです。今回のCDではアートディレクションを担当させていただきました。沖縄に来て、ふたりに出逢って、一緒に音楽をしたりして、、、沖縄在住7年になりますが、ぼくにとっても忘れられない十五夜になりました。そして、この日は生まれて半世紀と3日目です。

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